ヤギの飼育場所と環境
家に庭がある場合、最初は庭で飼育するのが適切です。
飼育空間は広ければ広いに越したことはありませんが、最低でも1㎡程度で大丈夫です。
ヤギ小屋
ヤギ小屋は、大型犬用の小屋を代用するか、適切な大きさがなかったら手間ですが、小屋を作ってあげましょう。
ヤギはじめじめした環境を嫌うので、風通しのよい場所に設置するようにしてください。
冬場には小屋の中にワラを敷いて保温に努めます。
柵
ヤギは跳躍力があり、1m位は軽く飛び越えてしまうため、1.5m以上の柵を設置しましょう。
なお、ヤギは高いところに登るのが大好きなので、ブロックで高地を作ってあげると喜びますが、その分柵の高さは高くなります。
木陰
庭に樹木が植えてある場合は問題ないのですが、ない場合パラソルなどで木陰をつくります。
有害植物
庭に雑草が生えている場合、ヤギが草を食べてくれるメリットがありますが、問題は家庭菜園や園芸の品種です。
ジャガイモ、アジサイ、ツツジなど、ヤギに有害な植物は意外と多くあります。
こうした植物を栽培している場合、ヤギの飼育空間から取り除いてあげてください。
また、犬のようにヤギに首輪はしないようにしましょう。
絡まって窒息死する危険性があります。
牧草
ヤギは草食動物ですが、どんな草でも食べるわけではありません。
ふれあい動物園でも、「雑草は与えないでください」と注意書きがあります。
牧草を主食として与え、さつまいもなどの穀物類をおやつとして極少量与えましょう。
動物性の食物は全く食べません。
朝と夕方2回、体重の8%位の量が理想です。
水分
ヤギは乾燥に強く、毎日水を飲まないでも生きていけますが、大きめのバケツに水を入れていつでも飲めるような環境にしてください。
汚れやすく、特に夏場は蚊の発生源になりかねませんので、毎日こまめに水替えは行うようにしましょう。
蹄のカット
蹄が伸びてきたら、園芸用のはさみでカットします。
徐角
角のあるヤギはヤギらしく見栄えのするものです。
しかし、先が鋭利であり危険であるため、角を切っておいた方が安全と言えます。
ヤギのトイレのしつけ
基本的に草食動物は排泄の場所を選びません。
移動しながら排泄をしますが、これは肉食動物などの外敵に狙われたときに素早く身を守るためだと言われています。
ヤギも基本的には「垂れ流し」です。
ただ、仔ヤギの時からしつけると、排泄の場所を覚える個体が少なくないのは確かです。
ヤギは排泄したくなると、尻尾を立てます。
そのタイミングで飼い主が排泄場所に指定したい場所に連れていきます。
排泄予定場所には、ヤギのごちそうになる餌やおやつを置いておき、その場所で排泄したらご褒美としておやつを与えます。
何度か根気よく繰り返すと、ヤギはその場所をトイレとみなし、そこで排泄するようになるということです。
トイレはトレイタイプで、中にペットシートを敷いておけば始末が楽です。
ヤギを室内で飼育したいと思っている場合の最大の関門は、トイレ問題解決だといっても過言ではないでしょう。
ヤギの病気対策
ヤギは環境適応能力が高く、丈夫な動物であり、病気にはなりにくいとご説明しました。
ヤギを飼うにあたって予防接種などの義務付けはありません。
しかし、一般の動物病院でヤギの診察をしてくれるところは多くないのが実情です。
購入先や掲示板で病院を紹介してもらう必要があります。
できれば、定期健康診断を実施してもらえれば一番良いと思います。
ヤギの罹りやすい病気として有名なのが 「腰麻痺」 。
これは蚊が媒介する寄生虫がヤギの脊髄に侵入し、運動が不自由になるという恐ろしい病気です。
ザーネン種などヨーロッパ系のヤギがかかりやすく、シバヤギのようなミニヤギは耐性をもっているためあまり心配ないですが、用心はしておいた方が良いことに変わりはありません。
蚊の発生する時期に駆虫約薬を投与し、ボウフラ発生のもとになる汚水を貯めないことです。
その他、腸に寄生する病気にかかることがありますが、異常を見つけたら即座に病院で診察を受けるようにしましょう。